バイク
取材協力:三陽工業株式会社
「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業社員インタビュー
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社の協力を得て、バイクを作る仕事に従事する社員にインタビュー!「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社での、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
バイクを作る仕事/高城康二さん(仮名)
兵庫県の神戸にある金属加工工場で働く高城康二さん(仮名)・25歳。現場ではバイクをはじめ、ジェットスキー、ピッキングカートなどのパイプベンダー、加工、切断を行っています。KAWASAKIのバイク部品の研磨作業から研磨技術を磨いて発展を遂げた三陽工業では、KAWASAKIおんがえしプロジェクトとして全日本ロードレース選手権や鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦。会社の発展を支えたバイクへの貢献に力を入れています。ここでは、バイクを作る仕事について、高城さんに詳しくお聞きしました。
バイクを作る仕事のやりがいや楽しさとは?
未経験から1人で仕事を任せられるまでに成長
製造業に携わった経験がなかったため、入社当初は本当に私でもできるのか不安でした。ものづくり経験ゼロでもできる仕事からスタートして、今は1人しか担当できない仕事を任されるまでに。バイクを作る仕事を通して「自分にしかできないこと」を得られたことに、やりがいを感じています。
バイクを作る仕事/三陽工業に興味を持ったきっかけは?
求職者にとっての価値を考えてくれる企業理念に惹かれ…
前職では、インターネット関連の営業を担当していました。転職を始めた際に多くの企業がお客様や社員にばかり目が向いている中、求職者にとっても価値ある企業でありたいというテーマを掲げた三陽工業の存在は目を惹きましたね。入社する前からしっかり目を向けてくれる企業なら安心して働けると感じ、入社を決めました。
三陽工業のココがすごい!と思う点を教えてください
リスクや変化を恐れないチャレンジ精神!
新しいことにチャレンジするのは、誰でも不安に感じるものです。多くの企業にとっても、失敗のリスクを抱えるよりも現状維持を選びがち。そんな中、三陽工業では今年のテーマに「やったことのないことをやってみよう」を取り入れ、会社全体で社員の挑戦を後押ししています。チャレンジによって一人ひとりの自信やモチベーションにつなげる姿勢は、まさに「人の無限の可能性」を原動力とする三陽工業ならではですね。
三陽工業におけるご自身の展望は?
社員の目標となれるリーダー、最終的には社長へ
まずは現場のリーダーになり、取れる資格はどんどん取得していきたいです。未経験からでもここまで成長できる、リーダーとして活躍することもできるんだとアピールして、他の社員の目標となる存在になりたいと考えています。今後の展望としては、リーダーで満足するつもりはありません。最終的なゴールとして「社長」を目指しています。
バイク製造業界の今
調査内容を参照すると、現在の日本製バイクの世界シェアは約4割といわれています。東南アジアやインドを中心に販路を広げ、海外で高い評価を得ています。一方で国内では新車販売数が軒並み右肩下がりの現状。一体バイク製造業界で何が起きているのでしょうか?
国内バイクユーザーの減少の原因は?
バイクの新車販売数が減少している原因は複数挙げられます。それぞれの原因について見ていきましょう。
消費者の生活スタイルの変化
近年では景気の悪さを理由に、なにかと節約に関する話題が取りざたされています。こうした雰囲気で高額なバイクは手が出しづらく、さらに維持費のような問題を考えると購入を断念してしまう人が多いのです。
また、働き盛りの年代が都市部に一極集中している点も問題。交通インフラの整った都市部に住んでいれば、バイクや車などの乗り物が無くても十分に生活できます。そういった点もバイクを遠ざけてしまう原因と言えるでしょう。
高速道路での費用問題
ETC非装備車両の値上げによって、車にETCを付ける人が増加しました。バイクにもETCを付けることはできますが、防水・防塵への対応のため車よりも高額になります。さらに高速道路の料金は自動車と全く同じですので、高速道路を利用しづらい状況にあるのです。
バイクの魅力はスピードを出して直接風やGを体感できること。最もその魅力を感じやすい高速道路が利用しづらいわけですから、バイクが選ばれなくなるのもうなづけます。
駐車場不足
かつてバイクは駐車場法・自転車法の法律から除外されていました。そのためバイクの駐車場整備が義務付けられず、バイク専用の駐車場が少ないのです。そこへ駐車場法がバイクに適用されたことにより、駐車場が少ない状況で取り締まりだけが厳しくなりました。
これから駐車場を作ろうにも土地が少ないため、駐車場の問題が解消されるにはまだ時間がかかると思われます。こうした問題も、消費者からバイクを遠ざける理由なのです。
盗難が多い
バイクの盗難届は1年でおよそ2万件。自動車の約2倍の数が盗難被害に遭っているといわれ、価格が高額な上、自動車よりも簡単に盗むことができるため、盗難被害が多いのです。
特に最近では外国人の窃盗グループによる犯行も増加している状況です。せっかくバイクを買っても、落ち着いて停めておけない。こうした状況もユーザーの減少を招く原因かもしれません。
今後のバイク業界の動向は?
新車の販売台数が落ち込んでいる状況を見かね、2014年に経済産業省は成長戦略に二輪車産業を組み込みました。海外市場への地位向上だけでなく、国内市場の活性化に向けた方針を固めました。
また、最近では大手メーカーが、海外生産から国内生産への切り替える向きも見られます。これまでは人件費や土地代の安い海外に生産拠点を置き、製造コストを下げていました。しかし最近では海外の人件費や土地代が高騰しており、海外生産による利益が得られにくくなったのです。輸送費や関税、円安などの影響もあり、製造を国内へ移そうという機運が高まりつつあります。
今後バイク製造の仕事は増えるかも?
現在はまだまだ国内でのバイク製造の求人は少ない状況です。しかし、製造を国内に切り替える会社が今後増えれば、バイク製造の求人が増加することも期待できます。
国内需要の拡大は国の政策にも関わっているため、今後のバイク製造業の未来は明るいかもしれません。
【お仕事解説】バイクの製造に関わる仕事とは?
国内のバイクメーカーといえばホンダ・ヤマハ・カワサキ・スズキの4社。バイク製造に関わる仕事に就くなら、この4社の工場に就職するか、バイクの部品を作るメーカー下請けの工場に就職すると良いでしょう。
バイクの製造は、大まかに「フレームの製造」と「エンジンの製造」に分けられます。大手メーカーの工場の場合、求人で出されるのは主に組み立て・検査の仕事です。
フレームの製造
フレームの製造は、主に「成型」・「溶接」・「塗装」の3つの工程を経て行われます。作業の安全性や省コスト化のため、大手の工場ではほぼロボットが担当。しかし、全て機械任せというわけではなく、機械の操作や安全確認、部品や素材のセットなどはマシンオペレーターが担当する場合もあります。
フレーム成型
バイクの骨組みとなるフレームを作る仕事です。従来は金型に流し込まれた金属をプレスしてフレームの成型を行いましたが、近年のバイクのフレームの主流「アルミダイキャスト」の場合はプレスの工程が不要です。
アルミダイキャストとは、金型に溶かしたアルミを高速で射出することで、複雑な形状のフレームでも量産できる工法。アルミダイキャストの製造は主にロボットにによって行われます。
溶接
成型したフレームを溶接する作業です。溶接作業では強い紫外線が発生するため、作業員が目を負傷する場合も。危険な作業をロボットが担当することで、溶接での安全性と高精度・省コスト化の実現ができるのです。
塗装
溶接作業が終われば、ラインによって流れてきたフレームに塗装が施されます。大手の工場であればこの工程もロボットが主に担当。塗装は有機溶剤を使用するので、作業員への負担が大きい仕事です。溶接と同じく、人が行うには難しい仕事をロボットが対応するわけです。
エンジンの製造
鋳造
フレーム成型と同じく、エンジンの鋳造・加工も主にロボットによって対応します。エンジン軽量化や冷却性能向上の観点から、最近ではフレームと同じくアルミダイキャストによって作られる場合があります。
機械加工
鋳造されたエンジンフレームを加工する作業です。エンジン性能を高める重要な作業であり、内容は主に穴あけや切削を行います。
エンジン組み立て
組み立て作業は人の手で行われます。加工されたエンジンを、機能ごとにラインに分け、それぞれ流れ作業で対応します。
インパクトレンチを使用して、指定された場所に部品を取り付けるのが主な作業内容。作業後は検査員がすみずみまで調べ、問題がなければ車体の組み立てへと進みます。
車体組み立て
フレーム塗装とエンジン組み立てが終われば、いよいよバイクの完成に向けて車体の組み立てに入ります。
組み立ての流れは主に以下の通り。
- エンジン部にリアタイヤの取り付け
- リアフレームの取り付け、およびフロントフレーム連結
- フロントタイヤ、サスペンション組み付け
- スロットル調整
- サブユニットの組み立て
- 外観部品の取り付け
- 完成検査
多くの人の手によって、徐々にバイクの形へと完成していく様子が見られます。組み立てから納品までの流れを見て、やりがいを感じる人も多いでしょう
バイク製造の求人は部品製造が多い?
自動車とは違い、バイクは海外工場で作られることが多いため、組み立てや製造に関する求人はほとんど見かけません。
ただし、三陽工業のように、さまざまな機器の部品製造を多く扱っている会社なら、バイク部品の製造も行っている場合も。
「部品だけなんて微妙…」と思われる方もいるかもしれませんが、部品作りもバイク製造に欠かせない立派な仕事。特にバイクは人の命に係わる乗り物ですから、使用される部品も日本製の高精度な部品が求められます。部品の製造は、ものづくりの基礎を支える重要なお仕事といえるのです。
オートバイ製造業の平均年収
検索してみましたが、オートバイの製造業に特化した平均年収の調査結果というのは、インターネット上には見当たりませんでした。参考までに、工場勤務の製造業全般の平均年収を見てみると、世代別の数字として20代が300~400万円、30代が400~500万円、40代が500~600万円という数字になっています。また工場勤務の製造業ならではの注目ポイントとしては技能(資格)手当や特殊作業手当、特殊勤務手当などが期待できる点が挙げられます。
ただし、これらはあくまで製造業全体の平均であり、オートバイの製造業だけの数字ではないことにご留意ください。また、参考までに、日本国内のオートバイ4大メーカーの正社員の平均年収を見てみると、ホンダが816万円、ヤマハが745万円、カワサキが715万円、スズキが691万円という数字となっています。
未経験OK!三陽工業株式会社のバイクを作る仕事の求人例
定着率の高さが魅力!製品の目視検査
職種 | 製造・技術(電気・電子・機械) > 製造・整備士・技術士 |
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雇用形態 | 正社員 試用期間なし |
給与 |
【月給】231,000円~ 【年収例】340万勤続1年2か月、男性、27歳、現場主任、 残業15h/月、諸手当、自宅通勤、賞与2回、昇給2回 |
勤務地 | 【各事業所・大手メーカー内勤務】 ・佐賀県鳥栖市 ・交通手段:自動車、バイク、自転車 |
勤務時間 | 7:30~16:15、19:30~4:15 ※残業有 ※配属先にて時間に変動あり |
休日・休暇 | 土日・GW・夏期・年末年始(会社カレンダーあり) |
特徴 | 未経験者歓迎/育児・介護休暇あり/土日祝日休み/寮・社宅あり/長期休暇あり/フリーター歓迎/マイカー通勤OK/研修・教育制度充実/中途入社50%以上/第2新卒歓迎 |
バイク部品の目視検査を行う仕事です。寸法や傷、欠けがないかの確認を行います。社員定着率は92%の離職者が少ない環境で、長期的に腰を据えて働きたい方におすすめです。年間休日は、120日以上となっています。
キャリアアップも可能!部品の検査スタッフ
職種 | 製造・技術(電気・電子・機械) > 製造・整備士・技術士 |
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雇用形態 | 正社員 試用期間なし |
給与 |
【月給】251,000円~ 上記収入例の詳細) 2交代勤務28歳入社1年目基本給187,000円+残業手当+深夜割増+諸手当 ※配属先により残業時間・深夜労働時間等が異なります |
勤務地 | 【三陽工業(株)各配属先現場】 ・愛知県豊橋市 ・マイカー通勤可、バイク、徒歩 |
勤務時間 | 6:25~15:05 17:00~25:40 2交替・残業アリ |
休日・休暇 | 会社カレンダーあり(土日・GW・お盆・年末年始) |
特徴 | 未経験者歓迎/長期休暇あり/フリーター歓迎/マイカー通勤OK/研修・教育制度充実/第2新卒歓迎 |
バイク部品の生産工場で目視検査を行います。検査を続けるうちにチェック箇所がわかるようになってくるので、ものづくりをしたい方の第一歩として適しているとのことです。新人のフォローとして、研修や定期的な面談を実施しています。
チームで作業するバイクのエンジン組み立て
職種 | 製造・技術(電気・電子・機械) > 製造・整備士・技術士 |
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雇用形態 | 正社員 試用期間なし |
給与 |
【月給】251,000円~ 上記収入例の詳細) 2交代勤務28歳入社1年目基本給187,000円+残業手当+深夜割増+諸手当 ※配属先により残業時間・深夜労働時間等が異なります |
勤務地 | 【三陽工業(株)各配属先現場】 ・愛知県刈谷市 ・JR・バイク・自転車・自動車※駅より会社バス運行中 |
勤務時間 | 8:00~17:00 21:00~6:00 2交替・残業アリ |
休日・休暇 | 土・日・GW・夏期・年末年始(会社カレンダーあり) |
特徴 | 未経験者歓迎/長期休暇あり/フリーター歓迎/マイカー通勤OK/研修・教育制度充実/第2新卒歓迎 |
指示書に従って部品を取り付けて、バイクのエンジン組み立てを行っていきます。2~6名のチームで動く、新人がいるときには先輩が見守ることができる環境です。スタッフへの対応を円滑に行うために、各現場にはリーダーを配置しています。
国内主要メーカーの製造業について
あらためてご説明するまでもありませんが、ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキは日本製オートバイの4大メーカーとして世界に名を馳せており、その高性能さは揺るぎない評価を得ています。近年でこそ、ハーレーやBMW、ドゥカティ、KTMといった海外メーカーがブランド力の強さによって巻き返しを図ってきていますが、4大メーカーの牙城を崩すには及んでいないという状況です。
ホンダ
オートバイの生産台数、販売台数ともに多く、「世界のホンダ」という名声でも知られます。第二次大戦後の1946年、故・本田宗一郎氏によって設立。1958年の発売開始以来、今なお生産が続いており累計生産台数1億台を突破した「スーパーカブ」や、日本製高性能バイクの先駆けとなり「ナナハン」という言葉を生み出した初代CB750フォアなど、バイク史に燦然と輝く名車を手掛けてきています。
近年ではオートバイ向けのデュアルクラッチトランスミッション(DCT)の開発に成功。大型オートバイをスクーターのような感覚で運転できるという新境地を切り開いています。
2021年3月期の売上高は連結で13兆1,705億1,900万円。純利益は連結で6,574億2,500万円という数字が公表されています。本社は東京・青山。2輪の生産拠点は熊本工場となっています。
ヤマハ
世界第2位のバイクメーカーにしてホンダの永遠のライバルと称されています。元々の母体である日本楽器は軍用機のプロペラ製造などを請け負っており、戦後、その生産設備の有効利用を模索。オートバイ製造に行き着きました。そして1955年、ヤマハ発動機として独立を果たします。
SR400やセロー250といったロングセラーモデルを筆頭にRZ250/350、V-MAX、YZF-R1など日本バイク史に大きな影響を与えたエポックメイキングなモデルも多数手がけており、さらにはデザイン性の高さにも定評があります。
2017年12月期の売上高は連結で1兆6,700億9,000万円。純利益は連結で1.016億300万円円という数字が公表されています。本社は静岡県磐田市。生産工場は本社周辺の静岡県内に点在しています。
カワサキ
母体は明治時代に造船業として創業し、第二次大戦では軍事用の船舶や航空機なども手がけた日本三大重工業メーカーである川崎重工。そのオートバイ部門になります。1970年代を代表する名車として知られ、今なお高い人気を誇っているZ1/Z2をはじめ、1980年代のGPZ900Rや1990年代のZZR-1100といった時代ごとの世界最速バイクを手がけきたことで知られます。
近年では川崎重工グループのテクノロジーを集結した、スーパーチャージャー搭載バイクであるNinja H2が大きな話題となりました。また他の3メーカーとはことなり、スクータータイプを製造していないというこだわりも貫いています。
2019年3月期の売上高は640億2.300万円。純利益は連結で274億5,300万円という数字が公表されています。本社(事業本部)および生産拠点は兵庫県明石市。
スズキ
ホンダやBMWと並び、2輪と4輪の双方を手掛けるメーカーとして知られます。前身は1909年創業の織機メーカー。2輪部門への進出は1952年のこと。「他社とは違うことをする」という信条を掲げており、日本バイク史に残る名車GSX1100Sカタナや、ストック状態で300km/hを突破とされるGSX1300Rハヤブサなどは、そうしたアイデンテティから生まれました。
2021年3月期の売上高は3兆1.782億900万円。純利益は連結で1.464億2,100万円という数字が公表されています。本社および2輪生産拠点は静岡県浜松市。
今後のバイク業界の動向は?
近年話題となっている若者の自動車・バイク離れの傾向が取りざたされており、バイク業界の動向は決して順風満帆という感じではありません。しかしながら、業界全体の兆しとして、明るい側面と思われる事柄も、いくつか見られます。
例えば、2000年代中盤以降から始まった、250ccから400ccクラスの再活性化。一時期、この排気量クラスはスクータータイプ一辺倒となってしまい魅力に欠ける状態となっていましたが、国内メーカーで唯一スクーターを製造していないカワサキが、250ccクラスで久々のフルカウルスポーツモデであるNinja250Rの発売をきっかけに、このクラスが再び活性化されました。
また2020年の新型コロナウイルスの蔓延は、バイクの生産という面では大きな打撃をもたらしましたが、バイクの良さ、利便性、メリットといったものが大きく見直されるきっかけにもなりました。いわゆる3密を避けることができる移動手段として、通勤や通学などにも有効であるとされ、一時期は自動二輪免許取得を目指す方々で自動車教習所の2輪部門が大盛況となったことは、記憶に新しいところです。
新型コロナウイルスの影響は海外でも猛威をふるっていますが、この状況が落ち着けば、バイクに対するニーズというのは、再び隆盛となる可能性を秘めています。オートバイへのニーズというものは、国民1人あたりのGDPが1,000ドルを超えた国々で高くなるという傾向があります。いわいる新興国がこれにあたり、タイやマレーシアなどの国々では、一般市民の移動手段としてバイクのニーズが高くなっているのはご存知の通りです。
そうした状況が今後期待できる国として、ベトナム、ラオス、インド、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジアなどが挙げられており、特にインドは人口13億人を誇る巨大市場です。新型コロナウイルスの深刻な感染拡大が収束してくれれば、これらの国々でバイクに対する需要が一気に高まる可能性は、非常に高いと言えるのです。
以上のように、バイク業界の動向に関する見通しは、直近の状況だけ見ると芳しくないように見受けられますが、中・長期的な視点で見れば大きな可能性を秘めていると言えるのです。そうした来るべき時に備えて、今の段階からバイクの生産現場に参加し、経験や技術を積んでおくというのは、有効なやり方と言ってよいのではないでしょうか。
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。