清酒製造工
清酒製造工は蔵人とも呼ばれ、地域や酒造によって製造方法が異なる独自の伝統的な技術を引き継いで日本酒を生成しています。このページでは文化の担い手である清酒製造工の仕事内容や年収、将来性といった魅力に迫りました。清酒製造工に興味のある方はぜひチェックしてみてください。
取材協力:三陽工業株式会社
「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業社員インタビュー
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社に取材・監修協力を得ました。「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社での、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
清酒製造工の本音・口コミ
清酒製造工のやりがいや将来性とは?実際に清酒製造工として働いた経験を持つ方の本音・口コミを紹介します。
清酒製造工の良い口コミ
私が知る蔵では、週休2日制、8時間勤務で清酒製造工が勤務していました。また、蔵が稼働していない夏場も営業活動などの仕事があり、1年間きちんと給与の支払いができるシステムを整えています。蔵にもよりますが、お酒を造っていない時期でもお仕事があるのは嬉しいポイントですね。とはいえ、職場環境などは蔵によってさまざまです。清酒製造工を希望する人のために見学ができる蔵が多いので、一度見せてもらうのがいいでしょうね。
清酒製造工の悪い口コミ
体力がないとかなり厳しい仕事です。また、各酒蔵によって独自のノウハウがあるため、勉強もかなり必要になります。酒造りは一年中行うわけではなく、夏場は休みになります。一方で、それ以外の仕込み期間はほぼ休みなく作業があり、休日は非常に少なくなります。仕事の内容はほぼ同じですが、働き方や給与などは蔵によってかなり違いがありますので、一度見学や、話を聞きにいったほうがいいでしょう。正直、かなり肉体労働がきつい仕事で、かなり熱い中で蒸し米を手で解いたり重い物を持ったりするので思った以上にきついと思います。甘い仕事ではないので、自分に合った蔵を見極め、やりがいを感じながら働くことができるなければ続けるのは辛いと思います。
酒精製造工の仕事内容
清酒製造工は日本酒の醸造はもちろん、瓶詰め・販売までが仕事です。日本酒は原料となる玄米の精米と蒸米、麹の管理、搾り、調合といったおよそ10工程を経て造られます。手間と技術が必要になるため、米を酒蔵の最高責任者である杜氏が采配を行い、経験に応じて作業工程を分担するのが一般的。頭・酛屋(もとや)・麹屋と呼ばれる三役と親方が現場をまとめています。 酒造りには30キログラムある米袋の運搬や、数キロリットルの醪(もろみ)を櫂棒(かいぼう)で混ぜる作業を春から秋にかけて行うのでスタミナが必要です。また、米からアルコールを発生させる要である麹は生きているため、雑菌を繁殖させないよう状況を見ながら温度調節をしなければならず、冬の繁忙期には泊まり込み作業になることも。この時期の作業がお酒の出来栄えを左右するので決して気を抜けません。
また酒造りは冬場がメインで、中小の酒場では夏場は酒造りを行ってないこともあります。その時期は瓶詰め作業が中心となり、完成した日本酒の濾過(ろか)・調合を行い、瓶の洗浄・殺菌、ラベル貼りを行います。酒製造工は酒を造るだけでなく様々な仕事があるのが特徴的です。
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清酒製造工場の勤務スケジュール
清酒製造工場における勤務形態ですが、1年間を通じて時期毎に行う作業が異なります。そのため、その時期ごとにスケジュールが異なることが多いようです。
1日の流れ
とある清酒製造工場でのある1日の流れを下記にご紹介します。
- 7:45 作業開始
- 8:00 – 8:30 麹室での作業
- 9:00 – 10:00 各自の持ち場作業(米を蒸す準備、作業・分析用サンプル採取など)
- 10:00 – 10:30 米の蒸しあがり
- 10:30 – 11:00 もろみの仕込み作業、米を運ぶ仕事
- 11:00 – 12:00 後片付け
- 12:00 – 13:00 お昼休憩
- 13:00 – 16:00 米の洗米作業、分析作業
- 16:00 – 17:00 在庫確認・掃除・後片付け
- 17:00 作業終了
上述の例のように、清酒製造工の1日は朝8:00頃から作業開始と早朝から作業が始まります。勤務終了は概ね17時頃です。清酒製造には様々な工程があり、年間を通じて季節ごとに異なる作業をすることがあります。そのため、季節によってはより早朝からの作業や夜通しの作業となる事もあります。その場合は、シフトを組んで作業にあたります。特に、お正月明けの1月から3月にかけては新しい清酒の仕込みが始まるので、かなり忙しくなります。
大きな清酒製造工場の場合は、24時間稼働ということもあります。その場合、勤務は2交代制ないし3交代制でシフト勤務を行います。アルバイトは正社員と労働時間に変わりはなく、1日の9時間程度となる場合が多いようです。 残業に関しては、全く残業のない工場から数時間程度の残業を依頼される工場などまちまちですので、就業前に確認すると良いでしょう。
休日については、土日祝の休日に加えてお盆・年末年始にゴールデンウィークと年間120日以上の休日がある工場などが多いようです。
年収
清酒製造工の平均年収は310~405万円程度と幅があります。他の製造業との比較では、310万円だと低い部類か比較する業種によっては同等程度に入るといえますが、405万円なら同等か高いといえなくもない水準です。清酒製造工の収入は実力による差が小さくないと考えられ、見習いでは年収200万円に満たないケースもあるようですが、実力次第では年収500万以上も可能です。さらに、酒造りの頂点と呼ばれる杜氏クラスになれば1000万円も可能だといわれています。大手の酒造メーカーでは製造業の平均を超える平均年収も珍しくありません。ただし、従業員全体での数字はわかっても、清酒製造工としての平均年収までは不明なケースが多いといえます。
将来性
日本を代表する清酒は販売量が落ちた時期もありましたが、最近は酒蔵が原料となる米の生産から手掛けたオリジナルの日本酒を作り出すようになり販売量が向上しています。また、ビールやウイスキーからは感じることのない独特の口当たりに魅了されている愛好者の数は昔から衰えません。酒蔵も新しい技術の導入や麹造りを工夫し、独自性の高い日本酒を製造しようと日々工夫を積み重ねて、清酒製造工も盛り上がりを見せています。現在では蔵の垣根を超えた情報交換や日本酒に関する勉強会を行うところもあり、若い造り手や女性が杜氏になることも増えているとか。海外市場に目を向けている酒蔵もあるので、今後ますますにぎわっていく職業と言えます。
酒精製造工になるには
清酒製造工になるに特別な資格や学歴は必要ありません。清酒製造工はここ数年慢性的に人材不足気味で、働き手を求める声が高まっています。酒造期間中には動物が配線を切って停電したり、機械不調など様々なトラブルが発生することがあるため、電気配線関係に明るい人や機械関係に強い人、危険物取扱に関する資格を持っている人だと重宝される傾向があるようです。それ以外にも在庫管理や帳簿管理もしっかり行う必要があるので、パソコンに詳しい人も需要が高いでしょう。酒精製造工は様々な仕事を行うため、色んな知識・技術を持った人を幅広く募集中する傾向があります。
清酒製造工を本気で目指すなら、酒造技術者・技能者を養成する新潟清酒学校、清酒製造研修に通うことがおすすめ。酒類製造に必要な知識や技術を習得できるため、経験しておくとアピールポイントになりますし、即戦力として重宝されます。
まとめ
酒蔵での仕事は大変ですが、仕込みが上手くできて美味しいお酒が出来上がったときの感動は格別です。手間暇かけた自分のお酒を店頭で見かけた時や、去年よりも美味しいと言ってもらえた時の嬉しさを想像してみてください。伝統と新しい技術を組み合わせて、より美味しい日本酒を造り出す清酒製造工の仕事はとてもやりがいのある仕事だと言えます。資格は必要ありませんがスタミナや対応力が必要です。清酒製造工を目指す方は事前に実技研修を受けたり、知識を付けておくと即戦力として活躍できるでしょう。
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取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
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