機械加工
監修:三陽工業株式会社
「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業監修・機械加工の仕事内容とは
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社監修のもと、機械加工の仕事内容について詳しく解説!「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社で働く社員にも取材を行い、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
機械加工の仕事とは
機械加工とは、設計や製図などに基づいて切削や研削加工、溶接などにより所定の形状に合った部品を製造する仕事です。機械加工で行われる加工法は成形、除去加工、付加加工、結合など。部品の形状や材質によって加工手順を変えたり多様な機械の使用法を押さえたりする必要があり、ものづくりの要とも言える仕事です。
機械加工の仕事をやるのにあると良い資格
機械加工の仕事に携わるのに持っていると良い資格についてご紹介したいと思います。
機械加工の資格とは
機械加工の仕事上で役に立つ資格といえば「機械加工技能士」です。
機械加工技能士は国家資格となり、名称独占資格なので資格保有者のみが称することができ、それ以外の方は称することが禁止されています。
この資格を取得することでスキルアップにも役立ち、将来指導者という立場としても活躍することができます。
また資格には等級があり、等級によってレベル分けされています。
等級 | 等級に対する位置づけ |
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特級 | 管理者・監督者が通常有すべき技能 |
1級 | 上級技能者 |
2級 | 中級技能者 |
3級 | 初級技能者 |
また、資格保有者は職業訓練指導員の機械科実技試験が免除となります。
機械加工技能士の受験資格
機械加工技能士の試験を受けるためには、まず受験資格を通過しなければなりません。
受験資格 | |
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特級 | 1級合格後に5年以上実務を経験。 |
1級 | 実務経験が7年以上、または2級合格後からさらに2年以上の実務経験がある。 |
2級 | 実務経験が2年以上、または3級合格者。 |
3級 | 不問 |
また職業訓練歴や学歴によって必要な実務経験が短縮される場合があります。
各等級の受験資格等についての質問は都道府県職業能力開発協会に問い合わせましょう。
機械加工技能士の試験内容
機械加工技能士の試験は実技試験と学科試験の2つがあります。
各等級によって内容が変わるので、試験勉強の際には必ず確認しておきましょう。
機械加工技能士の試験内容 | |
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特級実技試験 | 工程管理・作業管理・品質管理・原価管理・安全衛生管理・作業指導・設備管理 |
特級学科試験 | 工程管理・作業管理・品質管理・原価管理・安全衛生管理および環境の保全・作業指導・設備管理・機械加工に関する現場技術 |
1・2級実技試験 | 選択科目 ・普通旋盤作業 ・数値制御旋盤作業 ・立旋盤作業 ・フライス盤作業 ・数値制御フライス盤作業 ・ブローチ盤作業 ・ボール盤作業 ・数値制御ボール盤作業 ・横中ぐり盤作業 ・ジグ中ぐり盤作業 ・平面研削盤作業 ・数値制御平面研削盤作業 ・円筒研削盤作業 ・数値制御円筒研削盤作業 ・心なし研削盤作業 ・ホブ盤作業 ・数値制御ホブ盤作業 ・歯車形削り盤作業 ・かさ歯車歯切り盤作業 ・ラップ盤作業 ・ホーニング盤作業 ・マシニングセンタ作業 ・けがき作業法 |
1・2級学科試験 | ・工作機械加工一般・機械要素・機械工作法・材料・材料力学・製図・電気・安全衛生 選択科目 ・旋盤加工法 ・フライス盤加工法 ・ブローチ盤加工法 ・ボール盤加工法 ・中ぐり盤加工法 ・研削盤加工法 ・歯切り盤加工法 ・ラップ盤加工法 ・ホーニング盤加工法 ・マシニングセンタ加工法 ・精密器具製作法 ・けがき作業法 |
3級実技試験 | 選択科目 ・普通旋盤作業 ・数値制御旋盤作業 ・フライス盤作業 ・平面研削盤作業 ・マシニングセンタ作業 ・けがき作業法 |
3級学科試験 | 工作機械加工一般
・機械要素 ・機械工作法 ・材料 ・材料力学 ・製図 ・電気 ・安全衛生 選択科目 ・旋盤加工法 ・フライス盤加工法 ・研削盤加工法 ・マシニングセンタ加工法 ・けがき作業法 |
機械加工技能士の勉強方法
機械加工技能士の資格取得のための勉強については、主に独学となります。
ただ参考書などの情報は各県の職業能力開発協会にて公開されていますし、試験についての情報も得ることができます。
また講習会等も実施されているので、値段は多少高くなる場合もありますがとても参考になるので一度へ受けておくのもオススメです。
あとは、資格を先に取得された方々に、試験内容や勉強方法について質問すると良いでしょう。
機械加工技能士の資格取得におすすめの人
機械加工の仕事に携わる方から、スキルアップや昇給・昇格を考えている方にオススメです。
他にも職業訓練の指導者として活躍したい方にもオススメの資格です。
機械加工技能士の資格取得のメリット・デメリット
機械加工技能士の資格取得で得られるメリットは、資格を保有するからこそ自分が新たな人材を育てる教育者になれることです。
もちろん会社によっては国家資格でもあるので取得することで昇格・昇給が期待できる場合もあるでしょう。
ですが自身の大きなスキルアップに貢献してくれるのが、機械加工技能士の資格であることには間違いありません。
またデメリットについては、資格を取得したことで被るということはないでしょう。
ただし、資格の勉強方法等で時間がかかったり苦労したりするなど、資格取得までは辛いというデメリットもあるかもしれません。
それでも資格を得ることへの必要な通り道でもあるので、取得してしまえば何ら問題もないでしょう。
得られるメリットの方がデメリットよりも大きいので、ぜひ機械加工技能士は取得しておきたい資格です。
機械加工の仕事でつくられるモノとは
自動車
車の走行の核を担うCVT(無段変速機)の加工
CVT(無段変速機)は変速機の1つであり、エンジンの動力や減速比を無段階に変化させるトランスミッションのことです。変速時の振動が一切なく、エネルギーをロスせず滑らかに加速することから、燃費重視の自動車に多く導入されているのが特徴。機械加工の現場では、CVT部品の鋳造や加工をはじめ、ギヤの歯切り、熱処理、研磨加工、組み付けなどを行います。
船
エンジンオイルを循環させるオイルポンプの加工
機械加工の仕事には船舶向けオイルポンプの製造も含まれます。オイルポンプとは、エンジンオイルを機械に循環させる心臓部の役割を持つ部品です。オイルポンプがうまく作動しなければエンジンオイルが循環せず、エンジン本体の故障にもつながる非常に重要な部分です。金属で鋳造され、かなり精密に作られます。
重機
重機の安全な使用に欠かせない油圧バルブの加工
建設現場でよく見かけるブルドーザー、油圧ショベル、クレーンなどの重機は、油圧の利用によりレバー1本だけで重量の上げ下げをはじめ、掘削、積込みなどができるようになっています。なかでも油圧バルブは油圧ポンプから送り出されたオイルの方向、圧力、流量を制御する働きがあり、安全に使用するために欠かせない部品です。
機械加工の仕事をしている山中貴志さん(仮名)にインタビュー!
兵庫県明石にある工場で機械加工の仕事に従事している山中貴志さん(仮名)・32歳。前職では接客業をしており、ものづくりの現場に飛び込んだきっかけは現在勤めている三陽工業の社員定着率の高さに驚いたのがきっかけとのこと。1つの仕事に長く取り組みたいという思いから入社を決めた山中さんに、機械加工の仕事についてどう感じているのかを聞いてみました。
ー三陽工業での機械加工とはどんなお仕事ですか?
三陽工業では、CVT(無断変速機)やオイルポンプの加工業務を担当しています。CVTは自動車に多く採用されており、変速時の振動がないことから快適な運転には欠かせない部品です。エネルギーロスも少ないので、燃費重視の自動車に選ばれている部品でもあります。オイルポンプは人間でいうところの血液を循環させる心臓のような役割を持っており、これがなければエンジンオイルを循環できないのでかなり重要な部品です。
ー機械加工のお仕事のやりがいってどんなものですか?
自分の仕事が機械を動かす一端を担っていると思うと、かなり達成感がありますね。特にCVTやオイルポンプなど、これがなければ自動車や機械の運転に影響がでるような重要な部品の機械加工はやりがいを感じます。自分の手掛けた部品が形に残って目に見えるのも、ものづくりの仕事に携わって良かったと感じられる喜びです。
三陽工業における機械加工のお仕事求人例
職種 | 製造・技術(電気・電子・機械) > 製造・整備士・技術士 |
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仕事内容 | アルミニウム、銅、金属製品の加工・検査・運搬など |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 【月給】247,000円 |
勤務地 | 兵庫県たつの市 |
勤務時間 | 8:00~17:00 ※残業有 ※配属先により2交替・3交替あり |
休日・休暇 | 土・日・祝・GW・夏期・年末年始(会社カレンダーあり) |
昇給・賞与 | ・ボーナス年2回 ・昇給年1回 |
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。