ガラス食器製造工
食器は、料理において食材と同じくらい大事な要素です。そんな食器の中でもひときわ涼しく綺麗な印象を受けるガラス食器。そのガラス食器を作る職人、ガラス食器製造工の仕事内容や年収などをまとめました。
取材協力:三陽工業株式会社
「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業社員インタビュー
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社に取材・監修協力を得ました。「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社での、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
ガラス食器製造工の仕事内容
ガラス食器製造工はガラスでお皿やグラスなどの食器を製造する職業で、珪砂・ソーダ灰・石灰石を窯の中で溶かし混ぜ合わせて作る「ガラス種」から様々な食器を生み出します。製造方法は、大まかに分けて手作りと大量生産の二種類。大量生産の場合、金型にガラス種を流し込み、押しつぶしたり空気を吹き入れたりすることで形を整える方法が一般的です。手作りでは窯の中でガラス種に息を吹き込み、道具を使って形を整えて製造します。
この職業のやりがいは、何といっても自分の作った食器が誰かの食を彩っている、という誇り。涼しげな印象を受けるガラス食器は、その見た目や使い心地を通して日々の料理をより味わい深くします。それを作るガラス製造工は、たくさんの人の食生活を支える影のシェフと言えるでしょう。
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働き方や仕事内容について詳しく
ガラス食器製造工の勤務スケジュール
ガラス食器製造工における勤務形態ですが、大規模工場で働くシフト制勤務から中小規模の工場で働く日勤のみのケースまで様々になります。
1日の流れ
あるガラス食器製造工の1日の流れを下記にご紹介します。
- 6:30 出勤・準備
- 8:00 作業①
- 10:00 小休憩
- 10:15 作業②
- 12:15 昼食
- 13:05 作業③
- 15:05 小休憩
- 15:20 作業④
- 17:20 終業(出来上がりチェック、練習)、帰宅
上述の例は、日勤のみで操業を行う中小規模の工場の例となります。この工場の場合、作業内容は2時間ごとにチームで変わり、その度に作る製品とノルマ(作成数)が変わります。また、終業後にはその日に作った作品の出来上がりを確認します。週に一度は、終業後若手に練習の時間が設けられているそうです。このように中小規模の工場では、1日の労働時間は少し長くなる傾向にあり、準備から含めると10時間前後になります。また、工場の若手育成方針にも依りますが、練習時間を除けば残業はあまり無さそうです。
一方で、大規模工場では、他業種と同じように24時間操業のケースが多くなります。その場合、2交代制ないし3交代制のシフト勤務を行い、1日の労働時間は8〜12時間となる場合が多いです。また、残業はあまり無いようです。
休日の取り方は工場によって大きく異なり、2日間日勤+2日間夕勤+2日間夜勤+2日間休日の6勤2休制であったり、同じシフトを4日間続けて働いて2日休む4勤2休制であったりと、シフトは工場によってバラバラです。
正社員の場合は上記の固定シフトのほかに、年末年始・ゴールデンウィーク・夏季休暇など合計して年間105〜125日ほどの休暇が取れる工場が大多数です。この点も工場により異なりますので、就業前に確認することをおすすめいたします。
年収
ガラス食器製造工における給料水準ですが、賃金構造基本統計調査の結果によると435万円となっています。
これは全国平均の年収よりもやや低い水準となっており、年代別に見ると25~29歳が371万円、30~34歳が399万円となっています。
さらに40~45歳が435万円、50~54歳が460万円と、年齢を重ねるごとに徐々に増えてはいますが水準である435万円には40歳を超えなければ到達しないという結果になっています。
しかし役職別に見ると係長の平均年収が540万円、課長が706万円、部長が852万円と一般社員に比べると高い給与水準となっています。
就業者を学歴別に見ると高卒が最も多く、次いで大卒、専門学校卒となっています。
また平均年齢としても44.2歳と、全職種平均よりもやや若いという結果になっています。
技術は必要になる職種ですが資格は必要ないため、就業する企業の規模や自身の年齢、経験年数やスキル・役職によって給与水準が大きく変わる職業であるといえるでしょう。
将来性
ガラス業界・食器製造業界に共通することとして、海外企業の日本進出が挙げられます。今までガラス加工技術は日本において、高い技術でリードしてきましたが、近年中国や韓国の技術力も上がり、その地位が脅かされています。また食器業界でも割れても買い替えやすい、アジア諸国の安い大量生産品が多く消費されており、市場で見ると少々厳しいでしょう。海外の技術力や大量生産品に負けないためには、食器を単なる消耗品として捉えるのではなく、新しい価値を見出す視点がこれからのガラス食器製造工には必要かもしれません。
しかし日常生活において食事は欠かせない物であり、人が食事を楽しむ限り食器は無くならないと言われています。特に職人が手作りで作ったガラス食器は高い品質であれば一定の需要がありますので、技術力が高い職人になれば多くの人から注文が集まるでしょう。
また、企業規模が1000人を超す大企業になれば、年収も安定して、長く働きやすい環境となるでしょう。賃金と雇用、どちらの面から見ても大幅に安定しています。現在のガラス業界では耐熱ガラスや壊れにくいガラスなど特殊なガラスが人気を集めているため、それらを開発・製造しやすい大企業は特に将来性がありそうです。
ガラス食器製造工になるには
一般的に、ガラス食器製造工に必要な資格はありません。また中学・高校卒業後に就職するのが一般的であり、多くの場合は未経験でも問題ありません。大量生産の場合は全自動で製造が行われるため、機械に関する資格や検定を持っていると就職に有利になるでしょう。また力仕事が多いことや、火を扱うために職場がとても暑くなることから、体力が必要です。
ガラス加工は長い時間をかけて仕事を覚えるので、ある程度若い方が歓迎される傾向もあります。
未経験OK!三陽工業株式会社のガラス食器製造工の求人例
2021年9月時点、三陽工業では該当の求人がありませんでした。
まとめ
人々の食生活を彩るガラス食器。それらを作るガラス食器製造工は、食器を通して誰かの「おいしそう!」という声を作る仕事です。経験不問、資格もいらないことが多いガラス食器製造工において、一番必要なのは熱意。本気で作った自分の作品で、誰かの食卓を彩ってみませんか?
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。