時計技術者
時計技術者は、腕時計の中でも特に複雑な機構で時を刻む、機械式時計の組み立てや修理などを行います。一昔前は、時計職人に弟子入りして技能を磨くしかありませんでしたが、現在では、専門学校などで基礎を学び、時計メーカーや修理工房、百貨店、時計店などに就職して仕事をするのが一般的です。
では、時計技術者とは具体的にどのような仕事なのか、仕事内容や年収、将来性など、気になる情報についてまとめました。
取材協力:三陽工業株式会社
「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業社員インタビュー
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社に取材・監修協力を得ました。「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社での、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
時計技術者の本音・口コミ
時計技術者のやりがいや将来性とは?実際に時計技術者として働いた経験を持つ方の本音・口コミを紹介します。
時計技術者の良い口コミ
黙々と、一日中同じ作業をしても苦にならない人には向いている職業だと思います。特に、時計が好きだったり、精密機械が好きな人であれば、好きなことだけをしてお金がもらえるという最高の人生。大手メーカーであれば、給与や勤務時間、福利厚生なども充実しているので、時計職人を目指している人は、時計専門学校に通った後、大手メーカーに就職することをおすすめします。
時計技術者の悪い口コミ
大手メーカー勤務以外の人は、本当にひどい待遇だそうです。ほとんどのメーカーが時計パーツを囲い込んでしまっていて、下請け業者はまともに仕事ができていないよう。あえて悪いところあげるならば、ベテラン勢のプライドが高いゆえに、複雑な機械の仕事が回って来ない点。10年以上勤務していても、未だに入社当時と同じような仕事内容です。
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働き方や仕事内容について詳しく
時計技術者の仕事内容
仕事内容
会社によってかなり差がありますが、時計技術者の仕事は、内装のオーバーホールや部品交換修理がメインです。外装であれば、傷取り研磨や、ガラス、リューズ、ボタンなどの外装部品の修理や交換です。店頭での業務の場合は、電池交換、ベルト交換の他、その場でできる簡単な修理を行います。また、対面での修理受付や見積もり、出来上がりの連絡などがあります。
某スイス時計メーカーには「ケースメーカー」という部門があり、効率化を図るため、今までは一人の職人が修理を全て行っていたところを、内部のオーバーホールや修理とは別に、外装専門でガラス、ボタン、リューズ交換、各種パッキン交換、クオーツモデルの電池交換などがメインの仕事もあります。
時計技術者に求められるもの
時計技術者で必要なのは、一番に根気強さです。1ミリにも満たないごく小さな部品を組み立て、細かな修理箇所を捜し当てて修復するためには、機械式時計の深い知識や手先の器用さも必要です。そして何より、緻密な機構に美しさを感じる、時計好きであることも資質の1つ。好きでなければ仕事を続けることはできません。専門学校でも取得できる時計修理技能士は、国家資格です。資格を取得することによって時計技術者としての技能が保証されますので、ぜひ取得しましょう。腕時計には、歴史的な価値のあるものもあれば、宝飾品として使用されるような高価なものなど、種類はさまざま。ただ修理・製造するだけでなく、時計の歴史やデザインの変遷などの知識も求められます。それとともに、時計技術者には深い教養も大事な要素です。
また、時計の構造に関する知識だけでなく、修理や組み立て、部品の製造など、時計技術者にはさまざまな専門的技術が求められます。時計のトレンドだけでなく、時計が作られた背景やデザイン変遷などの歴史の知識があると、仕事にもやりがいが持てますし、それを実務に生かすことができます。精巧な部品を扱いますので、手先の器用さはもちろん必要ですが、それに加えて、注意力や集中力も重要です。さらに、国内外問わず、幅広い時計のデザインや構造などを知っておくことも求められます。
年収
時計技術者の年収は、求人サイトの募集データ集計結果によると、300万円未満もあれば、1000万円以上もあるのが現状。
300万円未満の場合は、日本の平均年収と比較すると低い傾向で、月給に換算すると約27万円となっています。
将来性
近年の世界情勢やスマートフォンなどの台頭により、時計業界は業績が低迷していましたが、細菌では回復傾向にあります。時計業界の売上高に貢献している主な商品は腕時計ですが、腕時計は今は生活必需品ではないため、売上高は非常に景気に左右されやすい業界です。景気の回復と共に、時計業界の業績も回復傾向にあるのですが、国内需要には伸び悩みがあります。しかし、時計技術者の高い技術力で作られる、高精度・高品質な日本メーカーの腕時計は、国内だけでなく、海外でも人気となっていることから、今後は国外に向けての販路を開拓するなど、戦略次第で将来性のある業界として注目されつつあります。
国内需要が伸び悩んでいる背景はさまざまありますが、主な要因としては、スマートフォンの普及が挙げられます。スマートフォンを持ち歩くことで、腕時計がなくても時刻を確認することができますので、腕時計の需要が低下しているのです。
時計技術者になるには
専門学校でも取得できる時計修理技能士は国家資格です。資格を取得することによって時計技術者としての技能が保証されますので、ぜひ取得し、メーカーなどへの就職を目指しましょう。
さまざまな専門的技術が求められます
時計の構造に関する知識だけでなく、修理や組み立て、部品の製造など、時計技術者にはさまざまな専門的技術が求められます。時計のトレンドだけでなく、時計が作られた背景やデザイン変遷などの歴史を知っておくことで、やりがいを持って仕事に臨めます。
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。