溶接工
溶接工の仕事とは
2つの材料(部材)同士を加熱・加圧して接合する。それが溶接の仕事です。
溶接面をつけて、バチバチと火花を出して作業をしている姿をイメージする人は多いはず。この溶接方法は「アーク溶接」呼ばれ、最も広く利用されている溶接方法です。
今回は求人でも多く募集されている、アーク溶接に焦点を当ててご説明します。
溶接工の仕事内容
アーク溶接の場合、溶接したい部分をアーク放電によって加熱し、くっつけることが主な仕事内容です。
詳しく説明すると、まず初めにアーク溶接棒を溶接機のトーチに取り付け、溶接したい部分へコンコンと軽く接触させます。叩いていくと強い光と共にアーク放電が発生。溶接棒ごと溶かしながら、部材同士を加熱して溶かしていきます。作業後は溶けた溶接部分が冷えて固まり、強固に接合することができるのです。
高い技術を持つ職人になると、ビード(溶接でできる盛り上がった部分)が一定の幅で接合できるので、仕上がりが非常に綺麗に。見栄えだけでなく製品の機能や強度、安全性にも関わるので、腕の良い職人ほど優遇されやすくなるでしょう。
溶接工の年収
溶接工の平均年収は、中小企業の場合約300~500万円。ただし会社の規模により年収は変わり、大企業勤務の場合だと、40代から50代で年収600万円を超えることもあります。
また、高い技術や経験が必要な溶接の場合、給与が高くなる傾向があります。高圧ボイラー溶接工・高圧配管・高層建築物・水中溶接といった溶接が主に挙げられます。
溶接の仕事で有利になる資格
溶接の仕事をする上で必須となるのは「アーク溶接特別教育」。アーク溶接の知識と技術を学べる講習で、決められた時間を十分に学べば、基本誰でも取得できる資格です。
ガス溶接の資格を取得する場合は、ガス溶接技能講習を必ず受ける必要があります。
JIS溶接技能者とは
講習による資格を得た後は、日本溶接協会が主催する「JIS溶接技能者」の資格を取得することをおすすめ。
基本的にはアーク溶接特別教育の資格を取得すれば、溶接の仕事を請け負うことは可能です。しかし、溶接の仕事は技量の高さが重要となるため、技術を証明するには難易度の高い資格も取得する必要があるのです。
JIS溶接技能者の資格は、大きく分けて手溶接・半自動溶接・ステンレス鋼溶接の3つに分かれます。それぞれ溶接をする姿勢と部材の厚さで種類・難易度が細かく変わります。
基本級であるFクラス(平らな場所に置いた板を下向き姿勢で溶接するクラス)を合格しないと各専門級を取得することはできないので、まずは語尾に「F」のついた基本級の資格を取得しましょう。
溶接管理技術者とは?
前述したJIS溶接技能者の資格は技術に関する資格。それに対して溶接管理技術者の資格は、溶接を行う現場での管理・監督を行うための資格です。
溶接業務を行う事業所では必ず溶接管理技術者を任命しなければならず、需要の高い資格といえます。
以下に、人気の溶接管理技術者の資格の情報を解説しています。
溶接管理技術者の等級
特級 | 事業者から委任された溶接業務全ての任務に責任を持ち、計画・実行・監督・試験を行う技術知識を持つ |
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1級 | 事業者から割り当てられた溶接製作の任務に責任を持ち、選定または限定された技術範囲での計画・実行・監督・試験をするため、充分な技術知識を持つ |
2級 | 事業者から割り当てられた任務に責任を持ち、簡単な溶接構造物に関しての計画・実行・監督・試験をするための技術知識を持つ |
溶接管理技術者の受験資格
溶接管理技術者の資格は2級から特級までの等級が存在し、等級ごとに受験するための資格が必要となります。それぞれの等級ごとの受験資格をご説明します。
受験資格 | |
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特級 | 1級合格後3年以上の実務経験 理工系大学卒業後3年以上の実務経験 |
1級 | 2級合格後、実務経験が3年以上 工業高校卒業後7年以上の実務経験 |
2級 | 実務経験7年以上か、工業高校卒業後2年以上の実務経験 |
溶接管理技術者の試験内容
溶接管理技術者の試験内容 | |
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特級筆記試験(1) | 選択科目 ・溶接法 ・溶接機器 ・溶接冶金 ・溶接力学 ・溶接設計 ・溶接材料 ・溶接安全 ・溶接施工及び管理 ・試験検査 |
特級筆記試験(2) | 選択科目 ・材料、溶接性 ・溶接法、機器 ・施行管理 ・設計 |
特級筆記試験(2) | 選択科目 ・材料、溶接性 ・溶接法、機器 ・施行管理 ・設計 |
口述試験 | 選択科目 ・溶接施行、管理の経験、知識 |
1・2級筆記試験 | 選択科目 ・溶接法 ・溶接機器 ・溶接冶金 ・溶接力学 ・溶接設計 ・溶接材料 ・安全衛生 ・溶接施工及び管理 ・試験検査 |
1・2級口述試験 | 選択科目 ・溶接法 ・溶接機器 ・溶接冶金 ・溶接力学 ・溶接設計 ・溶接材料 ・安全管理 ・溶接施行及び管理 ・試験検査 |
溶接管理技術者の勉強方法
主な勉強法は過去に出題された試験問題集を解くこと。試験では過去に出された問題と類似する内容がよく出題されるので、試験問題集を使った勉強はおすすめです。
過去の試験問題集は販売されているので、購入して自主学習を続けていくと良いでしょう。
ほかには、事前に溶接管理技術者の講習を受けておくことが重要です。溶接に関する知識が得られるだけでなく、口述試験も免除されるため、試験前には確実に受講しましょう。
溶接管理技術者の資格取得におすすめの人
資格の名前が示す通り、溶接管理技術者を取得すれば管理職に就くことができます。技術者として現場で働き続けるよりも、管理者として安定した収入を得たいという人にこの資格はおすすめできます。
溶接管理技術者の資格取得のメリット
溶接管理技術者の資格は、溶接に関する施行や管理に関する職務能力の認定、または溶接技術に関する技術知識を認定する資格。
この資格を取得すれば、溶接を行う現場の管理や監督指導、施工計画、技術管理、施工基準の決定に関わる仕事に就くことができます。
溶接の仕事でつくられるモノとは
溶接工の仕事はものづくりの業界において多岐にわたります。その中でも求人で良く見られるのが、自動車・建設・建機の溶接業務。それぞれについて解説します。
自動車
ロボットにはできない匠の技
自動車に使われる部品の溶接を担当します。流れてくる部品をライン作業で溶接するのが主な流れです。
大手の自動車工場の場合はロボットが溶接作業を行います。ディーラーの自動車整備工場なら、板金の際に人の手で溶接組み立てを対応することがあります。
建設
建物を支える鉄骨を作る
建物の鉄骨同士を接合するため、溶接が用いられます。給水管や排水管の溶接を対応する場合もあります。鉄骨は重量のある建物を支える骨組みなので、溶接作業では高い品質が求められます。
建機
大型建機を作る仕事
建設機械の組み立てを行う工場で、大型・小型パーツの溶接を担当します。自動車の製造と同じく、建機の大部分はロボットが溶接を担当。ロボットで対応できない細かい部分を、人の手で溶接していきます。
三陽工業における塗装のお仕事求人例
職種 | 製造正社員 |
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仕事内容 | コンテナ溶接・仕上げなどの製造関連業務全般 |
特徴 | 募集は三陽工業の「生産推進グループ」のスタッフ。 取引企業の元で製造業を学び、自分の可能性を広げるチャンスとなります。 立候補制度を導入。現場リーダーや工場長になりたい・営業職に変わりたい・新しい部署を作りたい、といった希望を会社が後押しします。 |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 242,300円 ※日勤勤務27歳入社1年目ベース(給186,000円、残業・諸手当含む) ※配属先により残業時間・深夜労働時間等が異なります |
勤務地 | 広島県三次市 |
勤務時間 | 8:30~17:30 ※実働8時間 |
休日・休暇 | 土・日・祝・(会社カレンダーあり) |
昇給・賞与 | ・ボーナス年2回(夏/冬) ・昇給年1回 ・残業、休日、夜勤手当支給 ・各種保険完備 ・産休、育休、慶弔休暇 |
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
引用元:三陽工業株式会社公式HP(http://sanyou-ind.co.jp/)
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「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。