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陶磁器製造工

陶磁器といえば、お皿やお茶碗などを主に思い浮かべるはず。しかし建物に使われているタイルやトイレも同じく陶磁器の一種ですから、陶磁器は私たちの生活に欠かせないものといえます。

そんな陶磁器は工房で作られる伝統工芸だけでなく、工場で大規模に作られる場合も。今回は工場で陶磁器を作る陶磁器製造工についてご紹介します。

陶磁器製造工の仕事内容

陶磁器製造工の仕事は、主に成形・素焼き・施釉(せゆう)・本焼き・転写絵付け・検品の流れで行われます。以下に、それぞれの作業内容の詳細をご説明していきます。

成形

土練り(焼き物の原料となる土を、機械が空気を抜きながら均一に混ぜること)が終わり、棒状に出てきた土をお皿やカップの形に整えます。

陶芸家がろくろを回すように、土を回転させながら成形する「ろくろ形成」、型に流し込んで形を整える「鋳込み成形」が主な成形方法です。ろくろ成形はプレートやカップ、ボウルなど上から見て円状になるものに用いられ、鋳込み成形はオーバルやスクエアーのような楕円や四角形でも用いることができます。

素焼き

成形したたくさんのお皿やカップを窯の中に入れ、約800度もの高温で焼き上げます。

土の中にある水分や余計な有機物を熱で除去することで、本焼きでのクオリティを向上。さらに熱で硬くなるので施釉が行いやすくなります。

施釉(せゆう)

施釉とは、釉薬という陶磁器表面にあるガラスのような部分を作るための工程です。

釉薬はガラス質の粉を水に溶かしたもので、これを生地に浸けると水分だけが生地に吸収され、表面にガラス質の薄い膜が形成されるのです。

工場によっては施釉の前に生地に下絵を施す場合も。パッド印刷・スクリーン印刷でデザインを施すほか、手作業で生地に柄を付けていきます。

本焼き

施釉が終わった後、再び窯で焼く工程です。

約1,250度の高温で焼き上げることで釉薬が溶け、均一に生地を覆います。この作用によって陶磁器の強度を向上、水漏れ防止、吸水性の除去といった効果が得られるのです。

転写絵付け

本焼き後、陶磁器にデザインを施す工程です。

転写紙と呼ばれる絵の描かれた紙を貼り付け、再び窯に入れることでデザインを焼き付けます。

施釉前に下絵を施す場合、この工程は不要です。

検品

製造工程が完了した後、人の目でできあがった製品の状態を確認します。

傷やヒビなどの問題がなければ、梱包・出荷作業に移ります。

年収

陶磁器工の年収は、男女を合わせた平均で約315万円。月の平均給与はおよそ23万円でした。

もちろんこの額は全国での平均額であり、大手の工場であればより高い給与が得られる場合もあります。

将来性

住宅用のタイルや、トイレ・洗面台のような衛生用品などに使われる陶磁器は、大手企業のシェアが大きいため将来性に問題はありません。

しかし、食器や台所用品、置物などの陶磁器は中小企業が多く、業界での景気は良いとはいえません。需要の減少や安い中国製品の台頭により、多くのシェアが失われてしまったのです。

しかし決して将来性がないとはいいきれません。中国での人件費の高騰により輸入品による影響は徐々に軽減しています。また、日本食が海外から注目されているため、日本食とセットで陶磁器を売り込むチャンスも生まれつつあります。

インターネットを使った活用も注目されています。現在ではほぼ1人につき1台は携帯電話を持っており、SNSを始めとしたインターネットサービスが多く利用しています。陶器市だけに頼るのではなく、ネットを使った販売経路を開拓することで、新たな需要を獲得できるかもしれません。

陶磁器製造工になるには

陶磁器製造工になるために特別な資格や技術、知識は必要ありません。スタッフを募集している工場に応募し、採用されればすぐにでも働くことはできるでしょう。

陶磁器の業界では後継者不足・人手不足が深刻な問題となっています。1人でも多くの働き手を確保するため、未経験者でも採用してくれる場合も。すぐに陶磁器製造工として働きたい場合は、求人情報を探すのが1番の近道といえます。

将来的に陶芸家として独立を考えている場合は、職業訓練校や窯業大学で学ぶ必要があります。陶磁器に関する高度な技術・知識を習得し、誰も見たことのないオリジナルの陶磁器を作りだしましょう。

未経験でも飛び込める仕事

厳しい職人の世界と思われがちな陶磁器の製造ですが、最近は機器の発達により、自動生成機やコンピューター制御で作られています。

全くの未経験でも働ける工場は多くあるため、陶磁器に少しでも興味があれば、思い切って求人に応募してみてもよいでしょう。

丁寧な作業を行えば、陶磁器はそれに応えるように美しく仕上がります。自分の仕事によって成果が目に見えて現れるため、やりがいのある仕事なのです。

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