試験評価
自社で作ったものの最終チェックを行う試験評価について紹介していきます。仕事内容はもちろん、年収や将来性についても解説しているので、興味がある人は参考にしてみてください。
取材協力:三陽工業株式会社
引用元:三陽工業株式会社公式HP(http://sanyou-ind.co.jp/)「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業社員インタビュー
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社に取材・監修協力を得ました。「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社での、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
試験評価の本音・口コミ
試験評価の良い口コミ
●新しいシステムを開発し、商品販売を行うために必要なテストや評価が行えるのは嬉しかったです。これまで培ってきた研究などを踏まえながら、新製品の品質を保証するためのテストを行い、仕様書を提出する仕事はやりがいも多いと思います。
●正直、私自身はITのスキルが高い方ではありません。しかし開発チームの一人に加えてもらったことでシステム開発の流れについて学ぶ機会ができ、こんなにも面白みがある仕事なんだと実感しました。システムエンジニアは特別な存在と思っていましたが、同じチームとして今では自分の意見もぶつけられるようになり、日々仕事をしていることを実感できています。
参照元:はたらこねっと(https://www.hatarako.net/contents/shokushu/hyoka_test/)試験評価の悪い口コミ
●入職当時は試験評価という業務内容に関する知識が全くなく、専門用語やテスト手順が分からず理解することが本当に大変でした。また繁盛期になれば残業も続き、プライベートな時間が無くなり辛かったです。それに、ずっとモバイルなどの画面を見続けないといけないので、肩凝りや目も疲れます。
●品質を保証するための検査は、厳格なテストをクリアしなければならないので大変でした。たとえば色んな人が作業を行っても、一定水準以上の結果が得られるまで品質を高めなければならず…。多くの実験も繰り返し行うので、何度も確認するのがつらくなります。
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働き方や仕事内容について詳しく
試験評価の仕事内容
試験評価とは、主にものづくりの現場である工場内で行われる業務のこと。とはいえ、必ずしも工場内で行われるものであるとは限らず、商品開発の現場で試験評価を行う企業も少なくありません。分かりやすく言うと、工場で製造された製品に対し、その動作や品質を確認するもので、品質管理の中の一部、あるいは品質管理そのものを指します。
具体的には、工場で作られた製品が、あらかじめ設定した基準を満たしているのかを入念にチェックし、さらには期待される性能を発揮することができるかといった点を確認します。その後、確認した結果は製品開発者へフィードバック。今後の製品づくりに役立てていきます。独立した部署である「試験評価グループ」が評価を行うだけでなく、開発者本人が試験評価を行う場合もあるようです。
製品の性能チェックというと、完成品のテストをイメージする人が多いかもしれませんが、製造工程の途中段階でも試験評価は行われます。製造の際に決められたサイズや規定などがきちんと守られているかどうか、また危険なところはないかといったことを特に重視しながらチェックが行われているのです。
試験評価で重要なのは、ユーザーの目線に立ってチェックを行うこと。社内にいるとどうしても製造側の目線となってしまいがちです。そのため、「このような使い方をしたらどうなるだろうか」「子どもや年配の人でも安心して使えるか」「直感的に使えるか」など、その製品の仕様について気が付いたポイントは、全て報告されます。中には、得られたデータからよりよい製品づくりのために開発サイドへ意見することも珍しくありません。
試験評価をクリアした製品は、そのまま世の中に出ていくことになるので、言わば最後の砦。つまり、卓越した知識と経験がある人だけがなれるプロフェッショナルな仕事だと言えます。企業にとっては、開発と並び最重要な業務として位置づけられることが多く、「うちで試験評価を行ったから大丈夫」と思わせるような仕事ができるようにならなければなりません。
試験評価の勤務スケジュール
試験評価を行うスタッフの1日の業務の流れを簡単に紹介します。
1日の流れ
あるゴム製造工の1日の流れを下記にご紹介します。
- 9:00 出社、メールチェック、スケジュール確認
- 10:00 チームミーティングでの手順・割り振りの確認
- 10:30 テスト業務の開始
- 12:00 ランチ・休憩
- 13:00 テスト業務の開始
- 17:00 報告書の作成、進捗の報告
- 18:00 退勤
年収
試験評価の仕事をしている人の年収ですが、どのような業種で仕事をしているかによって違いがあるようです。例えば、機械の評価やテストを行っている人の平均年収は429万円、それに対し電気や電子に関わる仕事の試験評価だと412万円ぐらいが年収の相場となっています。また、ソフトウェアやIT製品などの試験評価を行う、テストエンジニアの場合だと456万円が平均年収。ですので、試験評価として働く場合は、業種選びも収入面で違いが出てくるポイントとなります。
社会人であれば、誰でも耳にしたことがある超有名な大企業であれば、1,000万円を超える年収となるケースもあるようです。
将来性
試験評価の仕事することで、扱っている製品やシステムがどのような開発されているのかという流れを知ることができます。ですので、システム関連で興味の仕事がある場合には、試験評価で学んだ知識を役立てることが可能です。また、試験評価の上位職として、試験を専門に行う「テスター」、テストや評価の全体進捗を管理する「スーパーバイザー」、どんな試験評価をするべきかという計画を立てる「テストエンジニア」などがあり、これらを目指すこともできます。そのためには、実務経験を積みながら開発全般の知識を学ぶのはもちろん、ソフトウェアテスト技術者資格認定といった資格取得なども目指さなければなりません。
試験評価になるには
試験評価のスタッフを募集している求人サイトなどを見てみると、半数近くが未経験者でも応募可能となっているようです。その理由としては、社内に製品をチェックする仕様書のようなものが用意されていて、それを元に確認作業を行っていくことや先輩スタッフからのサポートがあることなどが挙げられます。特にIT業界でこの傾向が強く見られるようです。
ただし、試験評価の業務は、1人で行うことはできません。複数のスタッフとチームを組み、共同作業で仕事を進めていきます。そのため、コミュニケーションスキルは必須だといえます。また、検査を行った結果などを報告する書類などはWordやExcelを使って作成することがほとんどであるため、これらの入力や文書作成、表作成程度のスキルはあった方が良いかもしれません。
試験評価が必要とされる業種
試験評価は様々な業種で必要とされている仕事なので、幅広い分野での活躍が可能です。自動車製造業や家電製品の製造といったものづくりの仕事のほか、食品や近年、市場規模を広げつつあるIT業界やスマホゲームなどでも必要とされています。
自動車製造において必要な部品の数は約3万点。これだけの部品を組み合わせることで1台の自動車が完成します。もちろん、これだけの部品を自社で製造しているわけではなく、大手の自動車メーカーの場合だと数百、数千という下請け企業に業務を依頼。そのため、3万種類もの部品があるのであれば、最低でも3万回は試験評価を行わなければなりません。さらに組み立てる工程の中でも様々な試験評価が行われています。
自動車製造と同様、家電製品もいくつもの部品が使われており、部品の組立工程や各電装品に電気が通っているかなどのチェックが必要となります。
製造業以外で試験評価が欠かせないのが食品製造です。衛生面のチェックや成分チェックなど私たちの健康にかかわることなので、欠かすことはできません。機械を使って確認をしているものもあるようですが、味覚や風味、さらには実際に食べてみて健康被害が起きないかどうかという点のチェックは機械ではすることができず、最終的に人が直接、感覚などを頼りに確認しているところもあるようです。
新たに試験評価が必要な分野として注目されているのがスマホゲームをはじめとするIT業界。この業界で行われる試験評価は、開発されたプログラムやシステムにエラーや問題点がないかといったソフトウェアが正しく動作するかどうかをユーザー視点で実際に使用しながら行うチェックです。1つのソフトウェアには数多くのプログラムが組み合わさってできています。そのため、それぞれのプログラム開発が完了し、システム開発担当がソフトウェアを組み合わせた時点で試験評価として、最終的な動作確認を行います。IT業界では、このような作業を行うスタッフのことを「テストエンジニア」と呼ぶそうです。
スマホゲームなどでは、テストゲーマーと呼ばれるゲームをしながら試験評価を行う人がプレイして動作チェックを行い、バグや不具合が見つかるとすぐにプログラマーへ報告し、修正が行われます。
まとめ
いかがだったでしょうか?試験評価の仕事は責任が重大である分、やりがいを感じられる仕事です。そのため、几帳面な人やものづくりに情熱がある人にはおすすめの仕事だといえます。
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
引用元:三陽工業株式会社公式HP(http://sanyou-ind.co.jp/)
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「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。