清掃・洗浄作業
清掃・洗浄の仕事とは
工場内の設備や道具の汚れを綺麗にする清掃・洗浄作業。手作業ではなく、機械を使った清掃・洗浄なので、スキルに関係なくできる仕事です。
清掃・洗浄作業の仕事内容
清掃作業
窓ふきや機器のメンテナンス、清掃、床や壁の掃除など、工場を安全で気持ちよく使えるようにするために行います。清掃作業をきちんと行わないと、機器の破損や不具合が起きたり、工場で働く労働者が負傷したり、汚れが蓄積して取れなくなってしまうこともあります。
清掃作業には、毎日行う日常清掃と、曜日や日付けを決めたりして一定の間隔で定期的に行う定期清掃とがあります。
洗浄作業
洗浄作業は、薬品や道具を用いて行います。機器を分解して洗浄したり、床や壁汚れを取り除いたりします。洗浄作業を行うことにより、殺菌したり汚れの蓄積を防いだりして、機器を長持ちさせるほか、食品を作る工場では環境を整えます。
洗浄を行う時には、洗浄する環境や機器によって、最適な道具や洗剤を選ばなければいけません。水圧で汚れを落とす高圧洗浄機を使用したり、掃除機や専用のブラシを使うなど、特殊な道具を使用する場面も多くあります。タイルやコンクリート、カーペット、ベルトコンベア、ダクトなど、洗浄する場所に適した道具を使用します。
洗剤にもさまざまな種類があり、強力なものから皮膚にやさしいもの、精密機器に使えるものなどがあります。汚れの種類に対して適した対応が必要なため、洗浄には専門的な知識を持つことが重要です。
清掃・洗浄作業員の年収
全国の清掃・洗浄作業員の平均年収は、約275万円で、日本の平均年収よりやや低めの傾向です。なお、最高年収は600万円、最低年収は150万円と、かなり幅があります。
清掃・洗浄作業の仕事で有利になる資格
清掃・洗浄作業は未経験からでもできますが、国家資格である「産業洗浄技能士」の資格を取得しておくと、昇格や昇進などにも有利に働きます。
産業洗浄技能士とは
産業洗浄技能士とは、都道府県知事が実施する、産業洗浄に関する学科及び実技試験に合格した者をいいます。公共施設の上下水道の配管やタンク、金属の熱処理に用いる「過熱炉」、モノを加熱したり冷却したりする「装置熱交換器」などプラント設備の洗浄を行えます。また、「噴射ガン」や「フレキシブルホース」など多種類の高圧洗浄機を扱い、化学洗浄の技術と知識を持つ、洗浄のエキスパートとして活躍できます。
産業洗浄技能士の等級
試験は、洗浄方法により、「高圧洗浄作業」と「化学洗浄作業」とに区分され、いずれも単一等級となります。
産業洗浄技能士の受験資格
産業洗浄技能検定には受験資格が設けられており、実務経験年数3年以上が必要とされています。その他、専門高校卒業・専修学校(大学入学資格付与課程に限る)卒業、専修学校又は各種学校卒業(厚生労働大臣が指定したものに限る)800時間以上3200時間未満、短期課程の普通職業訓練修了700時間以上、普通課程の普通職業訓練修了2800時間未満は実務経験1年以上、それ以外の職業訓練歴、学歴、実務経験不要です。
産業洗浄技能士の試験内容
学科試験と実技試験が実施されます。
学科試験
- 産業洗浄一般
- 対象の施設、設備、装置及び機器
- 付着物
- 関連基礎知識
- 図面
- 関係法規
- 安全衛生
<選択科目(いずれか1つ)>
- 高圧洗浄法
- 化学洗浄法
実技試験
高圧洗浄作業
- 製作等作業試験
- 課題1:下水道管洗浄車を使用して、定められた下水道管の洗浄を行う。
- 課題2:高圧洗浄車を使用して、熱交換器の管内の洗浄を行う。
- 課題3:高圧洗浄車を使用して、鋼板に塗られた塗料の剥離洗浄を行う。
- 計画立案等作業試験
- 高圧洗浄システムの選定、圧力損失の算出等について行う。
化学洗浄作業
- 製作等作業試験
- 塩酸濃度の測定、pH値の測定、洗浄回路の配管、組立、ポンプの運転、
- 洗浄回路の分解等について行う。
- 計画立案等作業試験
- 洗浄薬品所要量の算出、圧力損失線図の読み方、洗浄系統図の見方等について行う。
産業洗浄技能士の勉強方法
主に、過去に出題された試験問題を解きましょう。試験では、過去に出題された問題と類似する問題がよく出題されます。過去の問題や解答については、中央職業能力開発協会がサイト上で公開しています。また、試験前に開催される産業洗浄技能士に関する講習会を活用するのがおすすめです。講習会の日程は、公益社団法人日本洗浄技能開発協会のサイトにて掲載しています。
産業洗浄技能士の資格取得におすすめの人
清掃・洗浄の仕事に携わっている方の他、他の業種から清掃・洗浄の仕事に転職を検討している方にもおすすめです。また、掃除が好きな人や、他の人が気づかないような部分の汚れにも目が届く人、注意深く確実に作業できる人、単調な作業に抵抗のない人などにおすすめです。
産業洗浄技能士の資格取得のメリット
産業洗浄技能士を名乗ることが可能になり、名刺に記載することもできます。この資格を持っていれば、清掃・洗浄に関する技能や知識を習得していることを客観的に証明できます。
待遇の面においても、企業によっては資格手当が支給されたり、昇給や昇進に有利になるなど、キャリアアップにも役に立ちます。
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
引用元:三陽工業株式会社公式HP(http://sanyou-ind.co.jp/)
※画像をクリックするとHPにリンクします
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三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
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