織布運転工
機械や装置を運転・操作して織物をつくる織布運転工。
具体的にどのような仕事なのか、仕事内容や年収、将来性など気になる情報についてまとめました。
織布運転工の本音・口コミ
織布運転工のやりがいや将来性とは?実際に織布運転工として働いた経験を持つ方の本音・口コミを紹介します。
織布運転工の良い口コミ
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織布運転工の悪い口コミ
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織布運転工の仕事内容
布地には、2種類の方向の糸を交錯させてつくった「織物」と、1本の糸を編んでつくった「ニット」とがあります。前者の「織物」をつくる「織布」工程で織機の運転・操作をします。これが、織布運転工の仕事になります。
織物は、タテ方向に走っている経糸(たていと)と、それに直角に走っている緯糸(よこいと)を一定の法則で交錯させてつくります。織物をつくる、この織布工程には、経糸準備のための巻返、整経、糊付、経通(へどおし)の工程、緯糸準備のための巻返、管巻の工程、そして製織、仕上の工程があります。
経糸準備の工程
まず、経糸をコーンやチーズと呼ばれる糸巻に巻き取ります。次に、織物設計に従って必要な本数の経糸を、ビームと呼ばれる円筒形の糸巻き器に一定の長さに巻き取り、経糸が切れないよう、糊付機を使って、糸に糊をつけて補強します。
緯糸準備の工程
緯糸準備の工程も、経糸とほぼ同様です。そして、経糸を織機に通す経通の後、経糸の間に緯糸を挿入する製織工程に移ります。
製織、仕上の工程
製織工程にて、織機と呼ばれる機械を使います。織機には、緯糸を経糸の間に通す方法によって、杼を使って通す有杼織機と、水や空気のジェット流に糸を乗せて通す無杼織機とがあります。通常はオペレーターが糸の補給と機械の運転・糸切れの補修を行います。
最後の仕上げの工程にて、検反機などの機械を用いて、織物を検査し、折りたたみ、欠点の箇所を修正し、格付けをします。
織布運転工の勤務スケジュール
織布運転工は、主に日勤で行い、通常は週休二日制です。また、企業によっては2交替制(早番、遅番)や3交替制(24時間)のところもあります。
1日の勤務時間は、1例として、シフト制で以下のどれかで勤務します。
- 8:30~17:15
- 5:00~13:30
- 13:30~22:00
年収
織布運転工の年収は、令和2年賃金構造基本統計調査によると、全国平均で273.3万円となっています。
これは日本全体の平均年収と比較すると低い傾向となっており、月給に換算すると23万円弱となっています。令和2年度のハローワークの求人統計データによると、求人賃金の月額平均は19.6万円なので、実際に就労している織布運転工の方が賃金が高いことになります。
近年では、人件費の安い海外への工場の移転等により、国内の繊維事業所数、出荷量は減少してきています。ただ、高い技術力を持ち高品質のテキスタイルを生産し、世界の高級ブランドで採用されるなど、グローバルに展開している企業などは、平均年収より高い傾向にあります。
参照元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)織布工/織機オペレーター
(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/278)
将来性
戦後の復興期・高度成長期において、繊維産業は発展してきましたが、1970年代以降の円高やデフレ経済等の中で、日本の繊維産業は海外に生産を移し、海外での生産比率が上昇しました。
このよう動きを見ると、繊維産業は衰退の一途をたどっているように見えますが、個々の企業レベルでは、産業全体のイメージとは異なる、意欲的で革新的な動きがあります。日本には世界をリードする高機能・高性能繊維や、海外の高級ブランドや民族衣装等からも評価・採用される高品質・高感性の素材、精緻な縫製技術等があり、既存のビジネスモデルにとらわれず、IT等を駆使して自由な発想で魅力的な製品づくりを実現する例もあります。
織布運転工の業界についても例外なく、個々の企業レベルでの革新的な取り組みにより、長年の厳しい国際競争で培われた技術を強みとして、国内繊維産業を生まれ変わらせる余地も残しています。
織布運転工になるには
織布運転工になるにあたり、特に学歴や資格は必要とされません。新規学卒者の場合は、学校やハローワークの紹介で入職する方がほとんどです。転職者やパートタイマーなどの中途採用の場合は、ハローワークの紹介や求人広告などにより入職しています。
入職後の教育方法は、企業や工場によって異なります。入職してすぐに基礎的な知識や技能を習得する研修が行われ、その後は配属された職場で、必要に応じて研修が行われます。このような教育により、1人前の織布運転工として仕事ができるようになります。
織物の品質を保つためには、多数の糸がムラなく流れるよう配慮し、わずかな糸の張り具合の違いにも注意を払う必要があるため、機敏さと手先の器用さのみならず、注意力や観察力も求められます。
まとめ
熟練した織布運転工となるためには、専門的なスキルや知識が必要になります。しかし、始めるために特に必要な資格や学歴も必要ないため、入職するにはハードルが低い職業ではあります。ものづくりの職種として、新たな技術を身につければ、やりがいも生まれます。
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
引用元:三陽工業株式会社公式HP(http://sanyou-ind.co.jp/)
※画像をクリックするとHPにリンクします
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三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
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