特定化学物質作業主任者
労働者の健康を守るという大事な役割を担う特定化学物質作業主任者。聞きなじみのない方も多いかもしれませんね。ここでは、特定化学物質作業主任者の概要や、このスキルが活かせるものづくりの仕事、資格の難易度、取得方法について紹介しています。
特定化学物質作業主任者とは
健康障害を発生させる可能性が高い有毒物質から労働者を守る役割を担う、厚生労働省が認定している国家資格です。職務内容はシンプルですが重要な仕事であり、特定化学物質の取り扱いがある工場や作業現場では、特定化学物質作業主任者を置くことが法律で定められています。
特定化学物質作業主任者の具体的な仕事内容は、大きく分けて以下の3つです。
- 工場や作業現場で有害物質から労働者を守るため、健全な作業方法を指導する
- 除塵装置や排ガス処理装置など「予防装置」の点検
- 作業に使用する「保護具」の使用状況の監視
有害物質とは特定化学物質に指定されている「ジクロルベンジジン」「塩素化ビフェニル」「ジアニシジン」「ベリリウム」などの物質のことです。特定化学物質作業主任者はこのような有害物質の汚染から労働者を守る、安全弁の役割を果たしています。
特定化学物質作業主任者が役に立つものづくりの仕事は?
特定化学物質作業主任者が役に立つものづくりの仕事は、石油コンビナート、化学業界、塗装業務、設備工事関連などです。こうした業界では特定化学物質を取り扱う機会があるため、特定化学物質作業主任者が業務的にも法律的にも求められます。
特定化学物質作業主任者の難易度は?
特定化学物質作業主任者の資格は、公益社団法人東京労働基準協会連合会主催の講習を受け試験をクリアすれば取得できます。
講習内容は「健康障害及びその予防措置に関する知識」「作業環境の改善方法に関する知識」「保護具に関する知識」「関連法令」となっており、内容的には決して簡単とはいえませんが、試験の合格ラインは科目ごとに得点率40%以上、全科目でも60%以上。資格取得の難易度は高いとはいえません。
専門外の分野であれば、学習にはそれなりの努力が必要になりますが、適切な学習をし、当日の講習をよく聞いておけば合格までの道のりはそう険しくないでしょう。
特定化学物質作業主任者の取得方法は?
特定化学物質作業主任者の取得方法は、公益社団法人東京労働基準協会連合会が実施している「特定化学物質及び四アルキル鉛(しあるきるなまり)等作業主任者技能講習」という講習を受講し、修了試験を受けて合格することです。修了試験は講習2日目の最後にあります。
資格試験を受けるための要件は特になく、職歴や学歴は不問。ただ講習の受講料とテキスト代が必要です。
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
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