メッキ工
メッキと聞くと、多くの人は製品の見た目を綺麗にすることだと考えるはず。
しかし、実はメッキには見た目の向上だけでなく、サビによる腐食や薬品の耐食性の向上・電気を通しやすくする導電性の向上など、さまざまな役割があるのです。
今回はそんな奥深いメッキを施すメッキ工について解説します。
取材協力:三陽工業株式会社
「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」
- 三陽工業社員インタビュー
日本の工業界を代表する数多の企業に優秀な正社員エンジニアを派遣させている三陽工業株式会社に取材・監修協力を得ました。「ニッポンのものづくりにわたしたちの力を」をスローガンに掲げる同社での、ものづくりの楽しさや喜び、やりがい、誇り…、そして今後の展望を語っていただきました。
メッキ工の本音・口コミ
メッキ工のやりがいや将来性とは?実際に家具工として働いた経験を持つ方の本音・口コミを紹介します。
メッキ工の良い口コミ
メッキというと、外側の目に見える部分を加工するというイメージがあるかもしれませんが、私が担当するのは機械の内側で、目に見えない部分です。だからこそ、メッキが見栄えだけではなく、製品の性能にも関係するという意味で人目に触れないところでも役立っているということにやりがいを感じられます。
職人一人ひとりの腕によって、仕上がりが異なるため、単純作業にはないやりがいを感じられます。単にマニュアルをこなせばいいのではなく、先輩から教えてもらうことや仲間と協力して自分なりのやり方を考えなければならない部分も多く、常に人との関わりや、工夫が求められるところもこの仕事の醍醐味です。
メッキ工の悪い口コミ
メッキ加工に使われる素材の運搬や素材に浸す作業など、以前に比べるとオートメーション化された部分が多く、肉体労働はかなり改善されていますが、未だに体力勝負というところはあります。工場では、重金属に毒物及び劇物などを取り扱うため細心の注意が必要で、常にマスクやゴーグルをしての作業になります。工場の中は暑く蒸れるので、厳しい職場環境と言えます。
また取り扱っている化学薬品が体にかかったら病院行きなのもかなり怖いですね。
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働き方や仕事内容について詳しく
メッキ工の仕事内容
メッキ工の仕事は、主にメッキ処理作業・研磨作業・検査、包装作業の3つに分けられます。それぞれの作業内容について詳しくご説明します。
メッキ処理作業
メッキ処理作業の主な流れは以下の通りです。
- 製品を固定し電流を流す治具(じぐ)と呼ばれる器具の装着
- 製品にメッキを密着させるための脱脂(だっし)作業
- 脱脂液を取り除く水洗作業
- メッキをつきやすくするため硫酸や塩酸に漬ける酸浸漬(しんせき)作業
- 製品表面の細かいチリやスケールの電解脱脂(仕上げ脱脂)
- 表面の酸化膜を取り除き、メッキをつきやすくさせる酸活性処理
- 薬液を取り除く水洗作業
- メッキ液につけるメッキ加工
- 薬液を取り除く水洗作業
- エアージェットや乾燥炉を使った乾燥作業
メッキの仕上がり具合は、脱脂や各工程ごとの水洗作業など、製品にメッキをつけるまでの前処理にかかっています。加工指示書に従い、メッキの厚みや製品の用途ごとに作業内容も微妙に異なるため、経験と技術が要求される仕事です。
現在では機械化によってマシンが自動で各工程を行う工場が増えており、マシンオペレーターの求人も見られます。業務内容は、主に材料のセッティングや機械操作を担当します。
研磨作業
研磨作業は、メッキ処理の前後に行なう作業です。メッキ前に行う場合、メッキを施す製品表面の古いメッキをはがすため、またはメッキの密着性を高めるために行います。メッキ後に施す場合は、メッキ処理後の仕上げとして行なわれるのです。
研磨作業では、主に「バフ研磨」と呼ばれる研磨方法が用いられます。
検査・包装
メッキ検査では、自分の目で状態を調べるほか、工場によっては専用の機器を使った膜厚(まくあつ)測定を行います。メッキの状態に問題がなければ、箱や袋に詰める包装作業を行い、伝票をつけて作業は完了となります。
年収
働く工場によって異なりますが、資格を持っていない高卒の方と大卒の場合とでは、大卒の方が年収は高い傾向です。めっき技能検定1級といった有資格者だと給与が高くなる場合もあります。
未経験からスタートした初年度の年収相場は300~400万円前後です。大手や資格が求められる求人では、初年度の年収が500万円を超えるのケースも見受けられました。一口にメッキ工と言っても対象が幅広いため、つくる物によって年収も変わってくるようです。
ほかの製造業とくらべると年収は平均程度のケースが多いですが、在職中の資格取得をサポートする企業も多く、働きながらスキルを磨いて年収アップを目指すこともできるでしょう。
未経験でスタートして技術と経験を積み、半導体など高精度なめっき技術が求められる仕事に就くなど年収アップの道もたくさんあります。初年度の年収だけを見るのではなく、将来のキャリアにつながる技術を学ぶという観点でもチェックしてみるのが良いでしょう。
将来性
メッキ加工は製品の性能や耐久性、審美性を高めるために必要な作業。今後もメッキ加工自体の需要が下がることはないでしょう。
しかし、近年では製品の製造拠点が海外に移ってしまったことで、国内工場での需要の縮小が問題となっています。また、ロボット技術の発達による無人化も懸念材料です。
とはいえ、将来性が全くないというわけではありません。海外でのメッキは装飾目的の汎用メッキが多いため、超微細部品へのメッキのような先端技術を用いる仕事の場合、需要の拡大が見込まれます。工場の将来的な無人化といった問題もまだまだ先のことといえます。現在でも重要な作業は必ず人の手で行われている点から見ても、メッキ工の需要は完全になくなることはないでしょう。
メッキ工になるには
メッキ工になるために必須となる資格・経験・知識はありません。未経験者でも採用してくれる工場であれば、求人に応募してすぐに働くこともできるでしょう。
ただし、知識や資格は持っているに越したことはありません。工業系の高校や専門学校を卒業していれば、大手の工場でも採用されやすくなります。資格に関しては、電気メッキ技能試験を始めとしたメッキに関わる資格の取得がおすすめ。資格手当によって給与がアップする可能性もあるのです。
他にも、メッキ工になるには体力や忍耐力も必要です。工場内は高温多湿であり、長時間作業をするので、体力に自信のない人だと負担の大きい仕事といえます。しかし、忍耐力を持って仕事を続け、作業に慣れてくれば体力も自然と身につき、徐々に働きやすくなるでしょう。
将来の最先端技術に欠かせない仕事
メッキ工の仕事は一見して地味ですが、実は最先端技術の分野で需要のある、重要な仕事ともいえます。
年々小型・薄型化になる家電製品への加工や、ロボットへの動作用配線、宇宙ステーションの反射炉、CO²削減のため注目される燃料電池など、最先端技術に関わる機器には高精度のメッキ技術が必要とされます。
技術の発展には基盤となる技術の高度化が不可欠。メッキ工は、そんな最先端技術を支える裏方のようなお仕事なのかもしれません。
未経験OK!三陽工業株式会社のメッキ工の求人例
金属部品のメッキ加工/土日祝休み
職種 | 製造・技術(電気・電子・機械) > 製造・整備士・技術士 |
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雇用形態 | 正社員 |
給与 | 【月給】236,000円 ~ [上記収入例の詳細] 【月収例】 入社1年目23歳給与 ベース給18.4万円・残業時間+深夜給+諸手当 ※残業時間による変動あり 【年収例】340万 勤続1年2か月、男性、27歳、現場主任、 残業15h/月、自宅通勤、賞与2回、昇給2回 |
勤務地 | 【大手メーカー内事業所(請負・委託現場)】
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勤務時間 | 8:15~17:00、20:15~5:00 ※配属先により変動あり ※残業有 ※配属先にて時間に変動あり |
休日・休暇 | 土日・年末年始・GW・夏季休暇 ※配属先により異なる |
特徴 | 未経験者歓迎/育児・介護休暇あり/土日祝日休み/平均年齢20代/寮・社宅あり/長期休暇あり/フリーター歓迎/マイカー通勤OK/研修・教育制度充実/中途入社50%以上/新卒採用/第2新卒歓迎 マシンでの作業や手作業など、さまざまな製品や工程のメッキ作業を行う現場です。未経験入社の方も多く、わかりやすい研修内容を常にアップデートしています。 |
部品のメッキ加工 WEB面接実施
職種 | 製造・技術(電気・電子・機械) > 製造・整備士・技術士 |
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雇用形態 | 正社員 試用期間なし |
給与 | 【月給】242,100円 ~ [上記収入例の詳細] 2交代勤務28歳入社1年目 ベース給187000円 残業20h(深夜給含む)+諸手当 ※ボーナス年2回 ※昇給年1回 ※配属先により残業時間・深夜労働時間等が異なります |
勤務地 | 【製造・生産工場】
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勤務時間 | 8:00~17:00、19:00~4:00 ※残業有 ※配属先にて時間に変動あり |
休日・休暇 | 土日・夏季・年末年始(工場カレンダーあり) |
特徴 | 未経験者歓迎/育児・介護休暇あり/土日祝日休み/寮・社宅あり/長期休暇あり/フリーター歓迎/マイカー通勤OK/研修・教育制度充実/中途入社50%以上/第2新卒歓迎 42歳までの方を対象に、長期キャリア形成を目的とした求人です。野球部やフットサル部など職場内のレクリエーションもあり、楽しく技術を高められる仕事です。 |
取材協力・監修者:三陽工業株式会社
「人の無限の可能性」を原動力に、日本のものづくりの現場を元気にする
三陽工業株式会社は、1980年・昭和55年に明石市にて設立以来、ニッポンのものづくり産業の中で事業を推進し続け、現在では全国35の拠点をベースに事業を展開している企業です。
「人の無限の可能性」という言葉を胸に、働く社員一人ひとりの中に秘めている可能性を「三陽工業という働き方」で引き出し、日本のものづくりに貢献し続けてきました。頑張る人が報われるという当たり前の状況を作り出すため、さまざまな環境を整備している点が社員からも好評を得ています。
役職・部署を希望してプレゼンを行うことで希望が叶うチャンスを与えられる「立候補制度」や、さまざまな種類の表彰制度など、社員一人ひとりの頑張りが必ず形になる環境の整備に力を入れています。